金利が下がると、どうして株価にプラスなのか その関係性を探ろう

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皆さんは日ごろの投資活動の中で金利を意識されているでしょうか?

なぜか、金利が上昇するとハイテク株が上がったり、逆に下がったりするとハイテク株が上がったりするのを目撃していることでしょう。

株価と金利の関係性をしっかり押さえておくと、日ごろの金利の変動による株価の上下に惑わされなくなります。

この記事では、金利と株価の関係について改めて確認してみたいと思います。

そもそも金利とは

金利とは、お金を借りた際に借り手が元金に上乗せして返す利息の算出に用いられます。

利息=元金×金利(%)という式が成り立ちます。

金利は株式市場に三つの意味で影響を与えています。

金利は株式市場のライバルである債券市場に影響を与える

株式市場と債券市場を見比べた際、より大きいのは債券市場です。債券市場の方が発行量も大きくさらに元本も保証されている部分もあり、債券市場が有利であれば投資家は債券市場に資金を移します。

一般的に金利が下落トレンドを描くと債券有利の相場環境となります。下落トレンドになると下落前に発行された債券で運用した方が(現在金利が3%だが下がる前である5%の頃の発行した債券を運用した方がお得)有利となるので投資家は寝かせている資金を債券市場に移します。

結果的に、リスクの高い株式市場は低迷することになります。

企業の価値評価においても金利が登場する

企業金融(ファイナンス)の世界ではDCF法という評価方法が主流です。この方法では将来の稼ぎは割り引いて計算されます。

ここでは簡潔に述べますが、例えば企業が今後5年間、毎年100万円ずつ稼ぐとなると、企業金融の世界では毎年100万円の収入を金利で割り引いて計算して現在の価値に割り引きます。1年後であれば100万円÷(100+金利)という具合に割引計算します。結局、だんだんと金利が高くなると1年後の100万円というのは現在価値にしてみればどんどん価値のないものとなります。

このロジックは企業価値の評価にも取り入れられており、金利が高くなると企業の価値も低くなるようにできています。つまり金利の上昇は企業の株式の値決めの際にもマイナスポイントなのです。

金利が高くなると企業の設備投資の足枷になる

金利が下落トレンドを描くと債券市場が有利となり株式市場には不利になると述べました。

では逆ならばいいのかというと先ほどの企業価値の評価にマイナスの面があるのに加え、企業の実態の方にも悪影響を及ぼします。金利が高くなると企業もお金を借りづらくなり設備投資をしなくなります。

その結果、経済全体が冷え込み景気に悪影響を及ぼすことになるのです。

ここまでのまとめ

1金利が下落トレンドを描く→発行済の債券での運用が株式より有利となり株式を差し置いて債券市場に資金が流れ込む

2金利が上昇する→長期的に企業の資金調達コストを押し上げ設備投資の足枷となる

3金利の上下→企業価値の算定に影響を及ぼす。


以上の3点を抑えておくと、金利の影響による株価の変動に驚かなくなるでしょう。

金利の指標は何を見ればよいか

金利と株式の影響について述べてきました。では、具体的にどのような指標を確認すればよいのでしょうか?

大多数の投資家はアメリカの10年債利回りを見ています。この10年債利回りは日本の株式市場にも影響を及ぼす重要な指標と言えます。

上は日経225と米国の10年債利回りを比較しプロットしたものです。

金利の低下は株価の評価としてはプラスとなるはずです。しかし金利の低下は債券市場にも恩恵があるのを忘れてはいけません。

株式市場と債券市場は資金の逃避先としては競合状態にあるので、一概に金利の低下が株式にプラスだとは早合点するのは早計です。

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