洋上風力発電の市場規模と問題点から分かる関連企業

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SDG、持続的成長が世界のトレンドとなる中、日本もそれに一石投じることになります。日本の布石は海上に風力発電を大量に建設するというプロジェクトです。この洋上発電をめぐって、現在様々な業界団体が動き出しており、官民総力戦の一大プロジェクトとなっています。しかし実現には高いハードルがあり、現在いろいろな企業がこのハードルを乗り越えるよう挑戦している模様です。

どれくらいの電力量となるのか

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/028_05_00.pdf

政府のロードマップを参考にしますと2030年までに1000万kWの電力量を確保し、2050年までには9000万kWの電力量を確保するとあります。最終的には原発一基が100万Wとして原発にして90基分の電力量を確保することが出来るようになります。

日本のように国内も狭いうえに原子力発電の事故も遭って大変になった点を考えれば、原発の代替を果たしうる選択肢が出来たのはひとまず喜ばしいことでしょう。また、これだけの電力量を確保するとなると相当大規模なプロジェクトになることは間違いないでしょう。

肝心の市場規模は

矢野経済研究所によると2030年には1兆円規模の市場になっていると試算が出されています。その後も2050年までには10倍以上の電力量を確保するという政府計画です。従って2050年までに10兆円規模の巨大な市場が生まれることになります。また、イニシャルだけでなく、その後のオペレーションにおいても継続したメンテナンス、送電装置やシステムが必要になるため、経済波及効果は直接の市場規模より多くなることが予想されています。

国内洋上風力、2030年度に市場規模9200億円 - ニュース - メガソーラービジネス : 日経BP
 矢野経済研究所は9月24日、国内における洋上風力発電の市場規模は2025年度に3070億円、2030年度には9200億円に成長するとの予測を発表した。

そもそも前例があるのか?

そもそも、洋上風力発電は成功するのでしょうか?そこは腰の重い日本政府が一大決断をするにあたり大きな前例があるわけです。

日本がモデルとしているのはイギリスの洋上発電がそれにあたります。

https://www.toshiba-clip.com/detail/p=2088

イギリスは近年、洋上風力発電に力を入れている国です。日本と同じく島国というのも相まってモデルに適した国と言えるでしょう。

実現の前に横たわる問題点1:建設方法

イギリス近海は浅海の面積が広大で、風力発電の風車を建設するのに適した土地柄です。しかし、日本近海は浅海の面積が小さいという特徴があります。このため、大規模な洋上風力発電を実現するには二つの方法があります。

海上を浮上する風車を建設するというものです。この場合、浅海が見つけられたとしても日本近海の浅海は複雑な形状をしており高度な海洋土木という分野の知識が必要であり関連企業も海洋土木に強い会社となります。着床式と呼ばれる工事をもってして行われます。ちなみに、イギリスをはじめとする欧州の洋上風力発電はこの着床式を採用して建設されています。

この海洋土木については五洋建設、東洋建設、東亜建設があります。中でも五洋建設は洋上風力春電の実証研究も行っており、その様子はホームページからも確認が取れます。

風力発電 [ソリューション・技術] - 五洋建設
五洋建設オフィシャルサイト。風力発電に関するソリューションのご紹介。

また、国内企業の中で先行して海外の洋上風力発電に参画している企業にJERAがあります。実際の実業務の経験値としては国内で一番培われているのはこの会社だと管理人は調査を進めていくうちに感じ取りました。

404 | JERA
「会社情報」ページ。株式会社JERAは、東京電力FPおよび中部電力の燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体に係る事業を担う合弁会社です。

また、ベンチャーとして最近有名になったレノバもこの洋上風力発電に参画をしている会社です。既に国内で陸上風力発電の知見を活かされることが期待されます。

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

実現の前に横たわる問題点2:送電方法

送電に関する方法は現時点で2つあるようです。1つはケーブル方式の送電。2つ目は船舶を使った洋上輸送です。

ケーブル方式の送電については古河電気工業がライザーケーブルという特殊なケーブルを開発し市場のシェアを狙う目論見です。

ライザーケーブル|Brightening the world|古河電気工業株式会社

2つ目の船舶による輸送についてはスタートアップベンチャーであるパワーエックスと提携した今治造船のチームによって進められています。

今治造船、「電気運搬船」で提携を発表 - 日本経済新聞
国内造船最大手の今治造船は3日、洋上風力発電所でつくった電気を輸送する「電気運搬船」の開発を目指すスタートアップ、パワーエックス(東京・港)と資本業務提携を結んだと発表した。約10億円を出資し、建造に共同で取り組む。2025年までに初号船を完成させ、実際の海域での電力輸送を試験的に始める。22年1月から船舶設計を行い、...

あくまでも現時点での関連可能性のある企業ということに注意

まとめますと、現時点では五洋建設、JERA、レノバ、今治造船、古河電工などが名乗りを上げているとわかりました。今後、続々と参入会社が増えていくことが考えられます。また、実運用は2025年からという計画です。気が長くなりそうですが、このような計画を前々から監視して有望企業を調査するプロセスが投資家として能力を開花させる方法ではないでしょうか。

今後のエネルギーの仲間、核融合炉、小型原子炉の監視も

風力発電はどうしても人の及ばざる力を利用して建設されるわけです。その点、現在研究が進められている核融合炉、小型原子炉も有力な電源の一つとなるはずです。小型原子炉については既に日立がGEと共同で受注もしています。次回はこの小型原子炉についても調査をして記事に起こしたいと思います。

コメント

  1. […] […]

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