管理人はこれからのデータ活用時代を見据えて、データコンサルティングを行うクロスマーケティングに投資をしています。しかし、クロスマーケティングは小型株かつ知名度もあまりないため、昨今の相場環境の悪化のあおりを受けての株価は日々下落するばかりです。そこで、今回改めてクロスマーケティングは将来性があるのか他のマーケティング会社よりも強みはあるのか調査もかねて管理人の考えを述べたいと思います。今回は会社の強みを分析できるSWOT分析を軸に論考してみます。
そもそもクロスマーケティングはどんな会社か
クロスマーケティングはデジタルマーケティング、データマーケティング、アンケート調査を柱とするマーケティングコンサル会社です。特に、現在の中期経営目標ではデジタルマーケティングを事業の柱として一番の稼ぎ頭としてとらえています。中期計画では2024年目標として総売り上げ300億に対して120億円をデジタルマーケティングで稼ぐ予定です。
デジタルマーケティングと求められるスキル
続いて、クロスマーケティングが成長の柱としているデジタルマーケティングとはどんなものなのか紹介しましょう。
デジタルマーケティングはwebだけでなくスマホや、タブレットなどのデジタル媒体を活用するユーザー行動を分析しマーケティングに結びつける分野です。近年、IOT(物のインターネット)の普及によってユーザー活動を記録できる媒体は大きくその範囲を広げています。そのため、従来のwebマーケティングよりも非常に広い分野を持ちます。
具体的には、ユーザーの購入記録、活動記録、及び読書記録などを収集することで企業のマーケティング活動に活かす施策を行います。デジタルマーケティングでは様々なチャネルの分野でデータと格闘できるようになったのがこれまでのマーケティングとの違いでしょう。
このため、今までの解析手法ばかりでなく新しいデータを用いた解析手法が必要になります。様々なチャネルを活用するために、大量データをさばくためのAIや機械学習技術はもちろん、IOTの知識も必要になるでしょう。
また、媒体によってさまざまな形のデータを集めることになります。例えば、扱う数字が離散的な数字なのか、あるいは連続的な数字なのか それだけで計算方法も異なるため専門的なスキルが必要になるわけです。デジタルマーケティングにおいては様々なタイプの解析手法を兼ね備えた、横断的な分析が出来る会社が望ましくなるでしょう。
クロスマーケティングの強み
デジタルマーケティングを行う上で、クロスマーケティングは素人目にも様々な解析手法を備えていることがwebサイトからも確認できます。基本的な統計分析はもちろん、リサーチのオリジナルメソッドも保有している模様です。
また、今後デジタルマーケティングをさらに強化させるためにSaaS、DX分野への投資も経営目標としています。ただし、投資規模としてはデータマーケティングやアンケート調査などに対して1/2ほどの規模になる模様です。
https://www.cm-group.co.jp/ir/management/mid_term/2021.pdf
このように横断的にデジタルマーケティングに取り組める体制作りを目標としていることが経営目標からうかがい知れます。さらに、クライアントにはクロスマーケティングの専任担当者が付くことになっているので、マーケティング部門を持たない中小会社の需要はかなりあるのではないでしょうか。IOTサービスからデータを取り出してマーケティング施策を打ちたいという事業者は今後増える可能性はありそうです。
クロスマーケティングの弱み
しかし、知名度という面では他のマーケティング会社に及ばないところです。マーケティングでも日本国内にサイバーエージェント、マクロミルという競合企業があります。中でもサイバーエージェントはとても大きな会社で、昨今はサービスの世間への露出が著しく知名度も抜群です。
ただし、単純に比較もできないのも確かでサイバーエージェントはどちらかというとマーケティングでも広告よりのサービスでクロスマーケティングはソリューション、コンサルよりの業態です。この点は、効果的な広告を打つだけの顧客、マーケティング全般をお任せしたいという顧客という感じでそれぞれの領域を裾分けすることが出来るでしょう。
また、マクロミルについては、主に調査の面にクローズアップしたサービスを提供しており、これもどうもクロスマーケティングと競合となるかは不明なところです。
二つの会社との比較でクロスマーケティングは、ますますマーケティング部門を持たない会社向けのサービスだなぁという印象を持ちました。
デジタルマーケティング市場について
デジタルマーケティング自体は今後も成長するのでしょうか?クロスマーケティングの中期経営計画では、2025年までの堅調に推移する見込みで事業計画を立てています。別の調査会社、例えばIDCなどは2024年まで日本国内でのデジタルマーケティング分野の成長が約5,299億円までになると予想されています。当分の間、市場の成長が頭打ちになる心配性はないでしょう。
クロスマーケティングを取り巻く経営環境はIOTの普及、ビッグデータの活用の普及や昨今のデータサイエンスブームもあって追い風が吹いていると考えても良さそうです。
衰退産業に属しているよりも、成長産業に属している方が人材面、収益や成長面でプラスに傾くはずです。
最後に脅威は存在するのだろうか
今回、管理人が思いつくばかりのマーケティング競合企業であるサイバーエージェントとマクロミルを例に出して厳密には競合たり得ないという判断としましたが、顧客動向によっては業態によって有利不利が出てくるかもしれません。また、マーケティングも一気通貫のコンサルが出来る競合が今後出てこないとも限りません。特に、知名度のある上記二社がコンサルやソリューションにまで手を出したら、知名度や実績の面で、不利に立たされそうです。ですが、今のところはそういった脅威はないという認識です。
まとめ
以上、強み〇 競合△ 外部環境◎ 脅威△といったところでしょう。広告・マーケティング業界にまで広げると上には電通、博報堂などがいる業界です。そのような業界で生き抜くには自分の業態をはっきりさせて、早々と実績や大きな成功実績をアピールして顧客に認知してもらう必要がありそうです。
日本には会社が171万社あると言われています。今後、デジタル化がさらなる普及するとはいえすべての会社でマーケティング業務を内製化することは不可能でしょう。クロスマーケティングへの投資は、このような「すべての会社がマーケティング業務を内製化することはできない」というテーマのもと挑みたいと管理人は今回の調査や自分なりの分析を経て考えるに至りました。
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