トヨタが先週12月14日、EV車種のお披露目と今後のEVの生産計画を発表した。30年までに350万台、そして30種類ものEVを計画しているという。そのうちの15台ほどは、記者たちの前で社長自らお披露目になった。時価総額は抜かれたとはいえ、生産台数(市場シェア)、抱えている人員、生産設備、そしてこれまで培った技術は圧倒的にトヨタに利がある。このような圧倒的な巨大企業がやるといったら、その覚悟は確実なものだろう。
イーロン・マスク氏は2021年11月12日に株式を売却し始めた
対するイーロン・マスク氏であるが保有する株式の10%を売却すると宣言してから、2021年11月12日から連続して株式を売却を続けており、最高値から30%以上も下落している。
建前上は税金を払うためというものであるが、本当かどうかはともかく何かしら売りたい理由があったのは確かだろう。管理人は、これは予めトヨタのEV戦略の内情を知った上での行動ではないかと推測する。
そしてトヨタのEV戦略を前にテスラの将来のポジションを感じ取り株式の保有率を下げているというわけだ。イーロン個人にとっては、リスクを鑑みた資産のリバランスといった具合だろう。
テスラとトヨタはかつて提携先同士だった
トヨタのEV戦略の情報を知りえただろうか?もちろん、知りえただろう。トヨタとテスラはかつてビジネス上提携をしていた時期がある。お互い、リスペクトしあっていた時期があったのだ。そしてお互い巨大企業だ。公表している情報や人の動き、金の流れ、そして人づての情報である程度何をしているのか分かってしまうものだし、今や社長へのインタビューは決算を通じて簡単にできてしまう。
イーロン・マスクはトヨタに対する動きを情報として知っていたというのは確実とみるべきだ。
トヨタがソフトウェア開発にも力を入れていることは素人でもわかる
トヨタはハードとブランドが優れていると思われがちだ。大してテスラはソフトウェアでこれをしのぎつつあるという見方が大勢だ。一橋大学教授の野口悠紀雄氏も、そのような見立てだ。
だが、トヨタがまごまごとテスラが自動運転やEVに進出するのを指をくわえて眺めているわけではない。その一つはお金の使い道からわかる。トヨタはこの2年、あらたにソフトウェア(無形固定資産)への投資を行っていることは財務諸表上からわかる。その金額は2020年度で2700億円に上る。対するテスラは10億円にとどまる。研究開発費でもトヨタは1兆円に対してテスラは日本円にして1700億円ほどだ。
トヨタの場合、これらすべてがEVや自動運転にかかった支出とみなすのは難しいだろうが、物量としては圧倒的差ではある。
イーロン・マスク氏はテスラのCEOを辞めたがっている
本気かどうかはわからない。しかし、イーロン個人は2021年12月12日にtwitter上でCEOを辞めてインフルエンサーになりたがっているようだ。奔放的な彼ならではの言葉だ。スペースXに専念すのか、あるいはゲームやアニメに熱中したいのかもしれない。
トヨタのEV vs テスラのEV
もちろん、これだけではテスラがトヨタに負けるかは分からない。最終的な市場占有力がどちらにあがるかは、まだまだ現時点ではわからないのだ。
だが、既に価格を発表している製品がある。トヨタのbZ4XというSUV型の自動車だ。価格は約630万円である。
対するテスラのSUVであるモデルXは約1200万円という価格帯だ。
この価格差、そして自動車に対するこれまでの実績やブランドを考えるとよほどのテスラ好きでないとbZ4Xが出た後のテスラのモデルXを選ぶ人は激減するのではないだろうか。
ただし、管理人もEVがどういった基準で買われるのか判断付かないので今回は単純めいた価格で比較した。もしかしたら、EVを選ぶ別基準があるとしたら、単純な価格差では軍配は上がらないかもしれない。
まとめると
まとめると、こうだ。
・イーロン・マスクはトヨタのEV戦略を掴んでいた可能性がある
・イーロン・マスクは11月からテスラの株式を売却し始めている
・イーロン・マスクはテスラのCEOを辞めたがっている
・テスラとトヨタの研究開発に注ぎ込まれる物量はトヨタに軍配が上がる
・トヨタのEVの市場占有力はわからないが既に価格の発表されたEVは同モデルのテスラ車より安い
ここから、分かり得ることは「イーロンはテスラの将来性にリスクを感じとって株の高いうちに自分の株式を売却した」という推測が出来そうである。
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